柿渋染ふじおう ロゴ

糸から染める渋柿染めとは

渋柿染めの効果 図解


 渋柿の実をまだ青い状態で搾り、その汁を1年以上ねかせ、発酵および熟成させたものを 柿渋 といいます。 柿渋に含まれるカキタンニンにより、抗菌・防臭・保湿効果、および抗酸化作用・収斂作用・血圧降下作用 などの効果があると知られています。 また最近では、 紫外線カットの効果もあるとの研究報告がなされています。

 従来、柿渋染は主に布を染めてから製品に仕上げられています。 しかし、肌着などは製作が困難なため、縫製された肌着をあとから柿渋で染めています。 そのため、染色時や乾燥時に多くの手間や色むら柿渋の浸透むらが発生し、製作するのが非常に難しいものになっています。

 当店では地場産業の先染織物の技術を用い、綿糸そのものを柿渋で染めています。 糸に直接柿渋を浸透させるので、抗菌・防臭・保湿等の効果が高く、どのような繊維製品にも応用がききます。 困難であった肌着などを容易に製作することが可能になりました。 靴下やタオル、雑貨をはじめ、使用する糸の種類(太さ)を変化させることにより、後染めではできない、さまざまな柿渋染の布を提供しております。


天日干し 矢印 糸を巻き取る 矢印 特殊な撚り(より)
(1)木綿糸を染め、
   天日干します。
  (2)糸を巻き取ります。   (3)糸に特殊な撚りを
   かけます。(特許出願中)

■柿渋の歴史

文献によると平安時代には漆塗りの漆器の下地に利用されていたそうです。防水や防腐の目的で広く使われるようになったのは江戸時代の中頃から戦後、プラスチックが出現されるまでの2〜300年の間だと言われています。


    ●当時の柿渋の用途
     ◎民間の治療薬(やけど・しもやけ)として。
     ◎魚網の強度向上、腐食の防止、撥水性の向上に。
     ◎酒造りの際に使う酒袋として。
     ◎木造家屋に使う木材の防腐として。
     ◎各種防水のため(傘・うちわ・紙など)に。
    ●現在の柿渋の用途
     ◎防臭・保湿効果を利用した化粧品に。
     ◎抗菌効果を利用した薬用石鹸に。
     ◎二日酔い改善の健康食品に。
     ◎お酒の清澄剤(不要成分を沈殿させる)として。
柿渋の歴史